九龍橋合同事務所

家族信託

家族信託とは

家族信託とは

家族信託とは自己の死亡や判断能力の低下・喪失などの事態に備えて、契約又は遺言により、自己の財産につき生存中又は死亡後の管理・承継をはかる手続きのことです。家族信託では一定のルールはありますが、委託者(自己)が受託者に対し契約などに基づき預貯金の管理、不動産の管理・処分や株式投資を任せるなど、その内容については原則として自由に設定することが可能であり、また、自己はもちろん、受益者を家族(例えば、子)にすることによって、家族の生活保障などの目的を達成することもできます。一方、自己の判断能力の低下・喪失などの事態においては、成年後見制度の利用も考えられますが、この制度では、財産管理について現状維持が基本原則であり、また、支援の対象は自分自身が中心となり、家族についての支援は原則として扶養義務の範囲に留まります。つまり、成年後見制度においては自己のために財産を「守る」ことが基本になりますが、家族信託の場合は、自己や家族のために財産を「活かす」ことが可能になるのです。

家族信託のよくある質問

私の判断能力が低下したときに、財産の管理とあわせて病院や介護施設との契約など身の回りのお世話をお願いしたいのですが、家族信託は利用できますか?
できません。家族信託は財産の管理・活用に関する制度ですので信託の枠組みの中で、病院や介護施設との契約などいわゆる身上看護を行うことを受託者に委託することはできないのです。もっとも、受託者が親族である場合は、親族の立場として身上看護を行えるケースもあるでしょうし、信託行為とあわせて任意後見契約を締結することにより、任意後見制度の枠組みの中で、受託者に身上看護を行ってもらうことは可能です。
私は70歳ですが、妻が認知症です。妻は、事業に失敗した長男がおカネの無心にくるたびにおカネを渡してしまいます。私の財産のほとんどは夫婦の老後のために貯めた資金なので、遺産はすべて妻に相続させようと考えていますが、私の死後妻の財産が亡くなり生活できなくなるのではないかと心配です。そこで、しっかりしている二男に私亡き後の妻の財産管理を任せたいと思っていますが可能でしょうか?
可能です。ご自身を委託者、二男を受託者、妻を受益者として信託(遺言・契約)を行い、遺産を妻に相続させたうえで、二男に預貯金、不動産などの財産管理・処分権限を与えることが考えられます。この場合、ご自身が残された遺産の利益は妻に帰属することとなりますが、財産の管理処分については二男の名義で行うことになります。したがって、信託された財産については、妻が預貯金の解約や払い戻し、不動産の売却換価処分することなどにより、長男におカネがわたることを予防することができます。

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