九龍橋合同事務所

遺言書が出てきた場合

遺言書が出てきた場合

遺言書が出てきた場合

相続が始まって遺言書が見つかったら、どのようにして遺言が実現されていくのでしょうか。公正証書遺言は公証人役場に保管されているので相続開始後すぐに適用されますが、それ以外の遺言書はすぐに見つけられない場合もあります。

いずれにしろ遺言は見つかった時点で速やかに、家庭裁判所へ持っていき検認を受ける必要があります。(検認とは、遺言書の形式や状態を調査して、その結果を検認調書という公認文書にしてもらうことです。)家庭裁判所では相続人の立会いのもと遺言書が開封され、検認されます。検認後、検認済証明書の申請をします。同証明書は、銀行での手続き並びに登記の際に必要になります。なお、公正証書遺言は公証人に作成してもらった時点で公文書扱いとなりますから、検認の必要はありません。
検認を受ける前に未開封の遺言書を開封し、偽造、改ざんすることは厳重に処罰される禁止項目です。遺言そのものが無効になることはありませんが、相続人に秩序罰である過料が科せられるほか、相続欠格として相続権を失うこともあるのです。

遺言書が出てきた場合のよくある質問

遺言書に、すべての財産を相続人以外の人に与える内容が書かれていた場合、相続人は財産はまったくもらえないの?
亡くなった遺言者の配偶者や子供(法定相続人)には最低限の相続分が民法で保障されています。これを遺留分といいます。遺言によって法定相続人が遺留分に 満たない財産しかもらえなかったときには、相続財産を多く受けとった人に対して、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内に遺留分侵害額の請求をすることによって遺留分の財産を取り戻す ことができます。(※遺言者の兄弟姉妹には遺留分がありません。)
なお、令和1年7月1日より前に被相続人が死亡した相続に関しては、旧法が適用され、遺留分減殺請求により遺留分の財産を取り戻すことになります。「侵害額請求」と「減殺請求」の違いを簡単に言えば、オカネで取り戻すこととなるか、モノで取り戻すこととなる(場合がある)かという点で違いがあります。
遺言の実行手続は、誰がするのか?
遺言の実行(執行)手続は、遺言執行者が行います。遺言執行者は、遺言に記載されていればその者がします。記載されていなければ裁判所に選任の申立てをします。

遺言の実行(執行)手順

1遺言者の財産目録を作る

遺言執行者が、財産を証明する登記簿、権利書などをそろえて財産目録を作り、相続人に提示します。

2相続人の相続割合、遺産の分配を実行する

遺言に沿った相続割合の指定をして、実際に遺産を分配します。登記申請や金銭の取立てをします。

3明け渡しや、移転の請求

相続財産の不法占有者に対して明け渡しや、移転の請求をする。

4遺贈受遺者に遺産を引き渡す

相続人以外に財産を遺贈したいという希望が遺言書にある場合は、その配分・指定にしたがって遺産を引き渡します。その際、所有権移転の登記申請も行います。

5認知の届出をする

認知の遺言があるときは、戸籍の届出をします。

6相続人廃除、廃除の取り消しを家庭裁判所に申し立てる

遺言執行者はこのような職務をこなしていかなければなりません。調査、執行内容は相続人に報告していく義務がありますが、執行がすむまではすべての財産の持ち出しを差し止める権限を持っています。

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